日常生活自立支援事業について

(1)概要

  • この事業は、認知症高齢者・知的障害者・精神障害者等に対し、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などの援助を行うことにより、在宅での自立した生活を送ることを支援しようとするものです。
  • 本人またはその代理人が、社協等との委任契約を締結することによって、このサービスを利用することとなります。
  • 市町村社協(基幹的社協)に配置された専門員が利用者の各種相談に応じるとともに、利用者ごとに適切な援助内容を定め、利用者ごとに直接援助を行う担当の生活支援員を決定し、具体的なサービスは生活支援員が行うこととなります

また、事業が適切に運営されるよう監督を行う「運営適正化委員会(運営監視委員会)」を設置するとともに、本人に契約をする能力があるかどうかを判断する「契約締結審査会」を設けることによって、契約による事業の信頼性や的確性を高め、安心して利用できる体制を構築しています。

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ここが知りたいなるほど質問箱(PDF形式:3,553KB)  日常生活自立支援事業パンフ(PDF形式:4,993KB)

(2)事業の対象者

  • 判断能力が不十分な認知症高齢者・知的障害者・精神障害者など、日常生活を営む上で必要となる福祉サービスの利用等について、お一人での判断が適切に行うことが困難な方が対象となります。
  • しかし、同時に本事業の契約内容や事業内容について、相応の理解力を有していると認められることも必要です。
  • また、本事業の契約内容について判断する能力を有しておらず、本人との直接契約が困難な方でも、成年後見制度を活用し、後見人等との契約を行うことでの利用が可能です。

(3)支援サービスの内容

  • 福祉サービスの利用援助(本事業の基本)
    1. 福祉サービスを利用し、または利用をやめるために必要な手続き
    2. 福祉サービスについての苦情解決制度を利用する手続き
    3. 住宅改造、居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約および住民票の届出等の行政手続きに関する援助、その他サービスの適切な利用のために必要な一連の援助
    4. 福祉サービスの利用料を支払う手続き

※できないこと・・・特別養護老人ホームへの入所契約、身元保証

  • 日常的金銭管理サービス(付帯する事業)
    1. 年金および福祉手当の受領に必要な手続き
    2. 医療費を支払う手続き
    3. 税金や社会保険料、公共料金を支払う手続き
    4. 日用品等の代金を支払う手続き
    5. 1~4の支払いにともなう預金の払戻、預金の解約、預金の預け入れの手続き

※できないこと・・・定期預金の契約、解約

  • 書類等の預かりサービス(金銭管理に付帯する部分)

(保管できる書類等)

    1. 年金証書
    2. 預貯金の通帳
    3. 権利証
    4. 契約書類
    5. 保険証書
    6. 実印・銀行印
    7. その他、実施主体が適当と認めた書類(カードを含む)

※預かることができないもの・・・宝石、書画、骨董品、貴金属・株券・小切手など

(4)実施体制

茨城県地図

  • 実施主体
    茨城県社会福祉協議会
  • 基幹的社会福祉協議会への事業委託
    茨城県社協は、基幹的社会福祉協議会(県内44ヵ所)へ事業の一部を委託して実施しています。
  • 相談はお住まいの社会福祉協議会へ 市町村社協一覧表(H30.4月現在)
  • 各基幹的社協には、実際の支援にあたる「専門員」と「生活支援員」を配置しています。
  • 専門員は、初期相談から支援計画の策定、利用契約の締結に至るまでの業務を担います。
  • 生活支援員は、支援計画に基づき、具体的な援助を行います。

(5)援助の方法

  1. 相談・助言・情報提供および連絡調整
  2. 代行
    • 場合によっては、本人が作成した契約書類等を福祉サービスの事業者等へ届けたり、本人から現金を預かって福祉サービスの料金等を事業者等へ支払うといった本人の「代行」を行う。
  3. 代理
    • 本人に代わって第三者が法律行為を行うことを「代理」といいます。利用者と社会福祉協議会の間で交わす契約書に定めます。

※代理権の対象は、在宅福祉サービスの利用手続きや本人が指定した金融機関口座の払戻に限定されます。

(6)援助の流れ

  1. 相談受付
    • 市町村社協・民生委員や地域包括支援センターなどの多様な経路からの相談に対応します。
  2. 初期相談
    • 基幹的社協の専門員が、本事業の説明を行い、本人の利用希望を確認します。
  3. 具体的調査
    • 本事業で提供するサービスの特定と、契約締結能力の確認を行います。
    • 契約締結能力に疑義が生じた場合には、本事業の利用意思の確認、利用内容(福祉サービスの利用援助など)を含めて書類を整え、契約締結審査会に審査を依頼します。
    • 契約締結能力がないとされた場合には、本人にその旨を知らせるとともに、ふさわしい生活を支援する他の制度が利用できるよう、行政等の関係機関や親族に連絡をします。
  4. 関係調整
    • 援助を円滑に行うために、契約締結の前に親族間の調整や他サービスとの業務分担など、できるだけ必要な手続きをしておきます。
  5. 契約書・支援計画作成
    • 契約書案や支援計画案を示し、今後どのような援助を行っていくか確認します。
    • 支援計画案には、「だれが、いつ、なにを、どのように援助するのか」を記載します。
  6. 契約締結
    • 本人と契約内容の再確認をし、契約書を取り交わします。(本人の意思を確認)
    • 本人、基幹的社協、県社協は、記名・押印した契約書をそれぞれ1通ずつ保管します。
  7. 援助開始
    • 生活支援員(専門員)が、契約書や支援計画にもとづいてサービスを提供します。

(7)利用料

  • 契約締結後、支援計画にもとづいて行う援助に必要な費用について利用者が負担する
    利用料
    福祉サービス利用手続きの援助や金銭管理などのサービス  

    1時間当たり1,100円

    書類等預かりサービス(銀行貸金庫使用料実費相当) 1ヶ月当たり 500円
  • 生活保護受給者の福祉サービス利用援助についての利用料は公費負担

(8)成年後見制度と日常生活自立支援事業

(基本的な考え方)

  • 成年後見制度は、財産管理及び身上監護に関する契約等の法律行為全般を行う仕組みですが、本事業は、利用者ができる限り地域で自立した生活を継続していくために必要なものとして、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理等の援助を行うものです。
  • 任意後見制度との関係では、任意後見制度が財産管理及び身上監護に関する契約等の法律行為全般あるいはその一部を対象として、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、その監督の下に任意後見契約の効力が生じるという仕組みですが、本事業は、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理等を行うことを援助の範囲として、一般の任意代理にもとづく事業として援助できる仕組みとしています。
  • 本事業は、本人と契約を締結することによって援助を開始することとしていますが、本人が判断能力を欠き契約を締結できない場合であっても、成年後見制度による成年後見人、保佐人、補助人または任意後見人との間で、本人に対する福祉サービス利用援助を行うため本事業の契約をすることが可能です。
  • また、本人の意思を確認できないため、本事業による援助計画を立てることができない場合及び本事業の援助の内容だけでは本人に対する十分な援助ができない場合、または本人の意思能力喪失後も本人が援助の継続を希望する場合は、本人の判断能力の程度や保護を必要とする内容に応じて、成年後見制度を利用できるよう努める必要があります。

(9)茨城県の実施状況

 ①契約締結件数

契約締結件数実績(年度別)
年度 契約締結件数 合計
認知症高齢者 知的障害者 精神障害者 その他
平成18年度 68 9 17 2 96
平成19年度 91 11 16 6 124
平成20年度 98 15 21 3 137
平成21年度 116 24 45 4 189
平成22年度 151 28 41 6 226
平成23年度 158 43 57 14 272
平成24年度 195 37 60 13 305
平成25年度 160 33 51 16 260
平成26年度 149 22 39 14 224
平成27年度 149 19 64 14 246
平成28年度 147 29 56 4 236
平成29年度 132 31 56 4 223
平成11年度からの累計 1,903 347 580 108 2,938

※事業開始は平成11年10月から

②利用者数推移

年度末 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
利用者数(名) 667 762 819 887 920 936

③実利用者内訳

年度 認知症高齢者 知的障害者 精神障害者 その他 合計
平成25年度末 419 127 184 62 762
平成26年度末 444 133 200 42 819
平成27年度末 473 136 229 49 887
平成28年度末 474 147 254 45 920
平成29年度末 469 163 263 41 936

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お問い合わせ

茨城県日常生活自立支援センター  電話番号 029-241-1134(直通)